医療問題(YouTube)

疲労骨折

■疾患概念

疲労骨折は、スポーツによる骨障害であり、
繰り返し微外傷が加わることにより生じる、
いわゆる「過労性障害」である。


発生要因として、
個人の解剖学的特徴である内因性と、
練習環境を中心とした外因性の2つの因子がある。


真の病態については不明な点も多いが、
内・外の要因により正常な骨組織に過度の力が
繰り返しあるいは持続的に加わり壊死や損傷が生じる。


組織が損傷あるいは壊死に陥ると炎症反応が生じ、

通常であれば
適切な治癒機転が働き、治癒へと進む。

しかしながら
過激な運動を続けたり、過度な力が繰り返し加われば、
度重なる組織損傷を生じ、治癒しなくなる。


そして、骨であれば疲労骨折を生じることになる。

部位では下肢に圧倒的に多いが、
投球動作による肩・肘や脊椎にも生じることがある。



■臨床症状

運動時痛が特徴的であるが、
症状が強度であれば日常生活動作時の痛みや安静時痛も出現する。

疲労骨折の場合、局所の圧痛が特徴的である。



■必要な検査とその所見

疲労骨折の単純X線所見では、
初期には骨折線がはっきりしない場合も少なくない。

骨皮質の硬化肥大した部位に
横断する線状痕がみられる(black line)。

初診時に疲労骨折を疑わせる臨床症状があれば、
経時的にX線撮影を行ったり、骨シンチグラフィーやCT検査を行う。



■鑑別診断で想起すべき疾患

疲労骨折は骨髄炎や骨腫瘍との鑑別が必要。

疑わしい場合には、
血液検査(骨髄炎の有無)や
MRI撮影(腫瘍病巣の有無)を行い、鑑別診断を行う。



■治療


疲労骨折はさまざまな部位にでき、
自然治癒しやすい部位(肋骨、脛骨近位部、第4中足骨など)と、
自然治癒しにくい部位(脛骨中央部、舟状骨など)がある。


自然治癒しやすい部位では、
原因となったスポーツ活動を一時中止し、
安静をとれば通常1カ月ぐらいで治癒する。


自然治癒しにくい部位では、
3−4か月の運動禁止が必要となる。


長期の制限となるため、
ドロップアウトする選手がいるので十分な説明が欠かせない。

その際単なる運動禁止のみではなく、
骨形成促進のための電気刺激や超音波刺激が効果的。


脛骨中央部や舟状骨などは
骨移植術や固定術などの手術療法を行う必要がある。



■再発予防
症状が改善しても元のスポーツに復帰すれば再発する可能性が高いため、
その原因を十分解明し、

スポーツ指導(練習方法、時間、種目、レベルなど)を行い、
内因性の問題があれば装具や運動療法を用いて再発予防を指導する。

安易に運動の再開を繰り返すと
治癒することなく次第に増悪し、
時に完全骨折に移行することがあるため注意が必要である。
タグ:疲労骨折
posted by drk119 | Comment(0) | TrackBack(1) | 医療問題
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

兄から妹へ、膝靱帯に腱の移植成功
Excerpt: 柔道でひざ靱帯を断裂した妹(24)に、兄(28)のひざ後部から取った腱を移植する手術を健保連大阪中央病院(大阪市)が実施、成功したことが7日までに分かった。病院によると、本人以外の腱の移植は国内では珍..
Weblog: お医者になるのは、大変ですね
Tracked: 2007-08-07 10:59
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。